十宜楼は「跑馬楼」とも呼ばれ、鹿港の金盛巷の中である。これは、廈郊商行の慶昌陳の家である。十宜楼は、以前、五福大街（中山路147号、149号）にあった。「二坎二進一院」という造りの建物である。第一進には楼井が一つ設置されていて、採光と通風などに役だった。

十宜楼は、「琴、棋、詩、酒、画、花、月、博、煙、茶」の意味があるため「十宜楼」と言われた。鹿港の竹枝詞は「九取巷中風不到,十宜楼上士閒吟」という詩を詠んだ。これは、昔の詩人や文人などがここによく集まったという証しでもある。

十宜楼の隣には銃楼があり、これは昔の街の防御のことである。銃楼の壁には三つの銃口用の穴と二つの見張り用の穴がある。高いところから町の様子をはっきり見ることができる。海賊などの悪人からの襲いを防御するのに役立つ。十宜楼の裏口は二つある。木製の門は鉄で覆われている。このように様々な方法で生活を守った。銃の棚の下には1列の陶かめが見える。当時、酒を醸造したり野菜を漬けたりするための容器である。民国92年（2003）に歴史的建築リストに登録された。

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