嘉慶時期に、鹿港には八つの「行郊」があった。「郊」とは現在の商業の組合連合会のことである。日茂行は「日廟」とも呼ばれ、乾隆から道光20年（1840）までの時代で、八つの郊の中で規模の最も巨大な商業組合連合会だった。

日茂行は熱心に善行を行い、乾隆42年（1777）に多くの資金を投入して、慈善団体「敬義園」を設立した。遺骨の整理、無名塚の建設、橋の修理などを行い、その当時で最も大きな慈善団体となった。また、日茂行は乾隆51年（1786）には龍山寺の再建、乾隆52年（1787）には天后宮（今の新祖宮）の建設に関わった。このように、日茂行は鹿港にとって欠かすことのできない存在で、現在でも鹿港には日茂行の善行が残されている。

日茂行は「三進二院」という造りであった。しかし、現在は玄関と正門だけが残されている。日茂行の前口床面には多くの石板が敷かれている。また、広場の前には、昔、郊の旗の土台や神に感謝する芝居を演じるための舞台として使われていた「磉石」がある。日茂行は1967年に再建され、鹿港の師匠施金義氏、陳穎派氏、歐陽錦華氏らが共に彩絵などの工事を行った。2000年に日茂行は県の古跡に指定されて、2003年に修復が始められ2005年12月に完成した。

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