観光スポット特色
彰化県を流れる東螺渓の沿岸には、埤頭から二林にかけて約5キロメートルにわたり600本以上の木棉の木が植えられています。この木棉花道は、台湾で最も長く壮観なものとして知られています。毎年3月には木棉の花が満開となり、オレンジ色のトンネルが果てしなく続く美しい光景が広がります。埤頭と二林の木棉花道は一つにつながり、その花は燃える炎のように空を赤く染めます。片側には広がる水田、もう片側には澄んだ東螺渓が映り込み、その対照的な光景が夢のような世界を演出します。この魅力的な光景を楽しむために、台湾全土から多くの花見客が訪れます。一方、竹塘地区に位置する木棉花道の秘境は、規模こそ小さいものの、田園風景に溶け込むような静けさが特徴です。堤防を越えて訪れる必要があるため隠れ家的な雰囲気があり、春には人気のスポットとなっています。
おすすめの花見スポット:東螺渓沿岸(埤頭区間、二林区間)、竹塘木棉花道(開花状況は天候により異なります)
木棉は熱帯・亜熱帯に生息する多年生の落葉高木で、高さは10~25メートルに達します。幹は直立し、瘤状の刺があることから「英雄樹」とも呼ばれます。四季折々に異なる表情を見せ、春はオレンジ色の花、夏は緑陰、秋冬は落葉となり、特に3月の開花は最も印象的です。大きなオレンジ色やオレンジがかった赤い花を咲かせ、花言葉は「身近な人と幸せを大切にする」とされています。開花期間は約1ヶ月です。
陳金能/拍攝
東螺渓は旧濁水渓とも呼ばれ、南彰化の農業灌漑を支える重要な河川で、埤頭や二林で生産される良質な米の源となっています。そのため「彰化の母なる川」とも称されます。沿岸には様々な花木が植えられ、サイクリングロードも整備されています。近年水質が改善されたことで観光スポットとして注目を集めています。毎年3月には「東螺渓木棉花季」が開催され、オレンジ色の花が一斉に咲き誇り、壮麗で雄大な景観を楽しむことができます。その姿は、まるで春が生命への情熱を呼びかけているかのようです。
埤頭木棉花道は旧渓路二段に位置しており、国道1号北斗インターチェンジを下りて左折しトンネルを抜けると、案内標識が現れます。春になると対岸の苦楝の花が淡い紫色の花海となり、木棉の鮮やかなオレンジ色との対比が見事です。さらに進むと道路の両側に木棉の花が咲き誇り、オレンジ色のトンネルを形作ります。
カーブや橋の上からは、川面に映り込む木棉の花々が「奇花爛漫半天中、天上雲霞相映紅(珍しい花が空いっぱいに咲き乱れ、天の雲や霞と照り映えて赤い)」という詩句を思わせる光景を楽しめます。反対側には広がる水田と緑の稲があり、鮮やかなオレンジ色とのコントラストが感動的な景色を生み出します。
さらに西へ進むと二林木棉花道へとつながります。通常、埤頭では開花が早く、その後に二林が満開を迎えます。これらの花道が連なり、台湾で最も長い花道として親しまれています。二林区間の入り口には代馬橋と渓湖橋があり、どちらも一般道なので花見の際は車両にご注意ください。
木棉の花は華やかでありながら落ち着いた魅力を持ち、観光客は地面に落ちた木棉の花を集めて模様を作り写真を撮ることがよくあります。特に春の雨の後は、落ちた花が地面を鮮やかなオレンジ色に染め上げ、写真撮影に絶好の機会となります。
埤頭と二林のほか、竹塘郷にも「秘境版木棉花道」があります。濁水渓の北岸に位置し、田んぼの中にひっそりと佇む木棉花道で、堤防沿いの小道を通って訪れる必要があります。全長約100メートルの間に30~40本の木棉が植えられており、もともと地主の陳彰桓氏が25年前に日陰を作る目的で植えたものです。しかし偶然にも真っ赤な花の道となり、美しい風景が田んぼの中に広がり、多くの人々を魅了しています。
何南輝/拍攝
謝瑞家/拍攝