昭和10年、鹿港の町役場の隣に町長寮が建てられ、町長の公邸になった。第一期の町長は廈郊慶昌行の陳懷澄氏がなり、第二期の町長は日本人の吉田秀治郎氏だった。吉田氏は、町長寮に初めて住み始めた町長である。

鹿港の町長寮は和式の木造の建築物である。土台が高く上げられ、柱脚は煉瓦や木で造られている。通風がよく床の防湿や虫よけなどに役立った。町長寮の外壁は下見板で造られている。室内は竹や土塀などが使われていて、日本統治時代の木造建築の風格を醸し出している。光復後、町長寮は一時放置され、その後は町役所の倉庫として使われていたこともある。

民国91年（2002）11月20日、歴史的建物リストに登録された。民国92年（2003）から修復工事が始められて、民国93年（2004）7月に完成した。民国94年（2005）1月30日に町長寮の完成式が執り行われた。そして、町長寮の管理は鎮役所に渡されることになった。今後は「地方文史特色館」として改装する計画がある。

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