道光19年（1839）、日茂行と商人らが城隍爺という廟を泉洲永寧（鰲城）という場所から鹿港に移設させた。永寧城隍廟の名前は「鰲亭宮」だったので、鹿港でも「鰲亭宮」と名付けられた。主祭神は城隍爺で、神棚の上に「燮理陰陽」の横額がある。城隍爺とは陰（「闇」のこと）と陽（「光」のこと）を管理する神のことである。

道光28年（1948）に彰化、鹿港に地震があり城隍廟は崩壊してしまったが、地方の商人が修復を提案し、道光30年（1950）にその修復が完成した。現在、廟の右側の壁には「重建鹿港城隍廟」と書かれた碑がある。これは当時、廟を再建する際に、官員と商人らがこの碑を共に書いて寄付したもので、貴重な史料である。

昭和8年（1933）に鹿港は区画整理されたため、鹿港の「不見天街」、城隍廟の「廟埕」と三川殿以外では、拝殿、正殿と後殿のみが残されている。

光復後、1958年に再建され、1985年には城隍廟は第三級重要指定文化財になり、1995年から政府の資金によって、城隍廟と三川殿の修繕再建が始まり1997年に完成した。その中に、「三川殿」の木扉や窓にある彫刻は名人である施鎮洋氏の作品で、芸術的価値がある。

城隍廟は「二進一院」という造りで、三川殿、正殿、後殿から成る。城隍廟の中には、そろばんと銅鏡がある。そろばんは人が生きる時の功績と過失を計算することを象徴し、銅鏡は善悪を明らかにするという意味がある。

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