観光スポット特色
マングローブと湿地帯の生態系を近くから楽しんでみるのはいかがでしょう。海空歩道には夕焼けを眺めることができる展望台、バードウォッチング小屋、底生動物の環境観察台などがあり、芳苑堤防まで続いています。所要時間は徒歩約1時間で、マングローブ、潮間帯、海岸の生態環境を堪能できます。
芳苑湿地は台湾最大規模の干潟で、豊かな生態資源が育まれています。空中遊歩道は、訪れる人々を泥質の干潟やマングローブへと誘い、潮の満ち引きにあわせて足元を流れる波の感触が楽しめます。また、シオマネキがハサミを振る姿やトビハゼが跳ねる様子など、興味深い光景も観察できます。まるで水面を歩いているかのような幻想的な体験ができるこの遊歩道は、彰化南西部の人気観光地として親しまれています。
2021年に開通した芳苑空中遊歩道は、湿地の生態系と黃牛文化が融合したユニークな遊歩道です。全長1.3キロメートルで、徒歩約1時間のコースには、夕日観賞デッキ、バードウォッチングテラス、底生生物観察スポットなどが設けられています。出入口は北・中・南の3か所があります。南側の入口は芳苑白馬峰普天宮の近くに位置しており、宮の広場には無料駐車場が完備。さらに、西浜快速道路の高架下から西華宮にかけての沿道にも無料駐車スペースが整備されており、アクセスは非常に便利です。
芳苑のマングローブ林は、約30ヘクタールの広さを誇り、主にオヒルギ(海茄冬)とメヒルギ(水筆仔)で構成されています。オヒルギは高さ8メートルにも達し、塩分を排出する能力と乾燥への強さを持ちます。葉の裏側に密集した柔毛は、水分の蒸発を抑える役割を果たします。開花期は4〜8月で、果実は8〜10月に成熟。ソラマメのような形をした果実は、熟すと泥地に落ち、潮流に乗って漂います。一方、メヒルギは胎生種子で繁殖する特徴を持ち、成熟した苗は自然に落下し、垂直に泥土へ突き刺さることから「水筆仔(筆のような植物)」の名が付けられました。
遊歩道沿いでは、多様な底生生物を観察できます。海蜷や玉螺などの巻貝類、ケフサイソガニ、ベンケイガニ、ヤドカリなどの甲殻類が豊富に生息しています。マングローブ林の土壌には、星虫やゴカイなどの多毛類がよく見られ、堤防に近い干潟には、オキシジミ、ハマグリ、イボニシなども生息。地元の漁師たちはこれらを捕獲して料理に活用しています。
ここはまた、野鳥の重要な棲息地であり、渡り鳥の中継地点でもあります。冬の渡り鳥シーズンには、多くのシギ・チドリ類が干潟に集まり採餌します。なかでもダイシャクシギは、最大で1,200羽の群れが確認されたこともあります。一斉に舞い上がる様子は、まるで鳥の波のようで、人々の記憶に深く刻まれる光景です。マングローブ林では、コサギ、アマサギ、ゴイサギなどのサギ類が主に見られ、3〜5月の繁殖期には、枝をくわえて巣づくりをする姿も観察できます。
遊歩道を進むと、潮だまりを間近で観察できます。干潮時に残された水たまりは、乾燥に弱い海洋生物にとって一時的な避難場所となります。また、潮の引く流れとともに海へと戻っていく小魚や小エビの姿も見られます。潮だまりの周辺は、シオマネキやトビハゼにとっても快適な棲息環境です。
幅5〜6キロメートルにわたる広大な干潟は、夕日観賞の絶景スポットとしても知られています。夕陽に照らされた干潟と空が溶け合い、刻々と表情を変えていきます。黄牛の往来、トラクターのカキ運搬、カキ採り漁師、そして伝統的な筏といった潮間帯での活動が、この地特有の海岸風景を形作っています。さらに海岸には多くの風力発電機を見ることもできます。周辺には、油籽学堂、王功漁港、芳苑灯台などの観光スポットが充実。普天宮広場の周辺には、焼き牡蠣、蚵嗲 (牡蠣の包み揚げ)、ピーナッツキャンディー、棒アイスなどの名物グルメが集まり、休日には多くの露店が立ち並びます。自然と人文が交差するこの場所は、人気の観光スポットとなっています。