組木工芸家の黄文彬氏は、木型作りの伝統技法を基本に、チャレンジ精神と斬新なアイデアで作品を製作しています。他人から見ればゴミでしかない小さな木材でも、黄氏にとっては貴重な材料。リサイクルで資源を大切に使うという信念を基に、木材を接着・加圧し、さらに旋盤技術とベアリングの原理を利用することで、木材の美しい色合いを組み合わせ、ため息の出るほど美しい組木工芸作品の数々を生み出しています。精度と形式を追求する木型作りから、実用的な工芸品創作に転身した黄氏は、木材の色合いを生かした見事なデザインと、長年にわたり研鑽を積んできた熟練の技が評価され、第5回十大技術模範 （金技賞）、第4回磺渓美術展優秀賞、第12回台湾工芸設計コンテスト入選、2008年台湾工芸コンテスト入選、2015年台湾国際木彫コンテスト入選と、数々の賞を受賞しています。
また、2020年には「台湾工芸の家」に入選。工房の「精瓶美工芸創作工坊」では、的確で緻密な計算と、入念で丁寧な設計のもとに完成した美しい組木作品の数々を展示しています。黄氏は、木材を美しい花瓶に組み立てる巧みな技で、単なる木工作品にとどまらない洗練された繊細な工芸品を生み出し、さらに作品に仕掛けを施すことで、斬新な芸術品へと昇華させています。技術には芸術的な刺激が必要で、芸術には技術の支えが必要であると黄氏は言います。生涯をかけて一つのことに力を注ぐから「一生懸命」。黄文彬氏が小さな木材で組み立てた華麗な世界をぜひ体験にお越しください。

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