彰化県政府は、文化資産保護法に基づき、2017年11月20日に文化部(文部科学省に相当)に対し、県定古跡「鹿港天后宮」を国定古跡に指定するよう申告した。鹿港出身の彰化県知事王恵美氏は、就任後、本案を非常に重視しており、文化部は2019年8月30日、文化部第7回古跡歴史建築記念建築審議会第15回会議において、国定古跡に指定することを決定した。彰化県において鹿港天后宮は、彰化孔子廟、鹿港龍山寺、元清観、道東書院、馬興陳宅(益源大厝)、聖王廟に次ぐ7箇所目の国定古跡となり、今後は中央からの補助金も得て、文化資産として未来により完全な形で残せることとなった。
文化部は、文化資産価値評価を実施し、複数回に渡る審査会を経た後、最終的に県政府が鹿港天后宮を県定古跡として改めて公告し、保存範囲と指定理由を明確にしたことで、2年間に及ぶ努力の結果、ついに鹿港天后宮は彰化県で7箇所目となる国定古跡となった。将来中央政府からのさらなる補助金を獲得し、文化遺産もさらに完全な形で保存できることになり、中央、地方、民間が一致団結して、文化遺産の保存に力を注ぎ、貴重な文化資産を維持し、住民生活に溶け込む、文化歴史の体験、民間信仰を探索する宝となった。
鹿港天后宮は1985年11月27日に内政部公告により国家第三級の古跡になった後、1997年5月14日の文化資産保存法修正法により、彰化県の県指古跡となった。県政府は1996年に鹿港天后宮の調査研究計画を完成させた。近年、廟の建物本体の老朽化による損壊が憂慮されることにより、2019年文化部に対し、修繕工事設計計画の経費の申請を行い、それを獲得した。関連予算手続終了後、速やかに関連作業手続きに入り、彰化県重要文化資産の保護にあたった。
鹿港天后宮の建築は、大小の木材装飾、石彫刻、絵付け全てにおいて、名匠の手によるもので、宮大工は、名匠王益順、呉海桐、王樹発及び黄リンクらで、石彫刻は、恵安、蔣馨一族、絵付けは、郭新林及び柯煥章らの作品となっており、どれも当代最高の名匠の手によるものとなっている。鹿港天后宮管理委員の最善の管理保護のもと、建物と名匠の作品群は完全に保存され、管理委員会では、さらに自主的に文物文化管理保護チームを結成し、保護及び補修と、保存価値の高い文化資産の掘りスタートこしにあたっている。鹿港天后宮は、鹿港鎮が過去に貿易で栄え、文化の中心地として発展してきた歴史と密接な関係があるだけでなく、港や川の水運とは切っても切れない地理的特徴があることから、鹿港の経済、社会の発展を体現しており、非常に重要な影響を受けている。関連する指定理由及び範囲については、文化部より近日公開される予定。